株式会社 徳家

鯨図鑑と捕鯨問題

鯨図鑑

現在、この地球上にいると確認されているクジラは83種類。イルカもクジラの仲間。20世紀に入って見つかった種類もあり、人間が発見していないクジラもまだきっといるに違いない。

ヒゲクジラとハクジラ

ヒゲクジラ類

歯がなく、上あごに密に並んだヒゲ板によって、餌を濾し取って食べるところからヒゲクジラと呼ばれる。主に海中の動物プランクトン(オキアミ類など)を食べ、海域によっては郡泳性の魚類も食べている。シロナガスクジラ、ナガスクジラ、ニタリクジラ、ミンククジラ、ザトウクジラ、セミクジラ等がこの類に入る。

ハクジラ類

歯の数や大きさや形は種によって違いがあるものの、一生抜けかわらない歯を持つクジラをハクジラ類と呼んでいる。イカ・魚類を主とする海洋動物を食べ、シャチなどは温血動物も食べている。マッコウクジラ、アカボウクジラ、ゴンドウクジラ、マイルカ、ネズミイルカ、カワイルカ等がこの類に入る。

クジラの仲間

ミンククジラ

8m/8t

高緯度の氷縁域から熱帯海域まで広く分布。1970年代以前は捕鯨産業にとって重要な種ではなかったが、他のナガスクジラ類の捕獲停止により、捕獲が増加した。現在では日本が科学調査のため北太平洋と南極海で捕鯨調査を実施しており、年間約500頭の標本が採集されている。またノルウェーが商業捕鯨で年間約600頭を捕獲している。資源状態は極めて良好。

■イシイルカ
2.3m/0.22t

北太平洋のみに分布。日本沿岸では突きん棒漁業によって漁獲され、1960~70年代には年平均6000頭が捕獲された。IWCの管理が適用されていないので、現在日本では、政府の資源調査に基づいて年間17,700頭の捕獲が許されている。

■コビレゴンドウ
南方型(マゴンドウ) 4.7m/1.26t / 北方型(タッパナガ) 6.5m/3.15t

世界の熱帯 から温帯の海に広く分布している。タッパナガとマゴンドウの2つの型がある。IWCの管理の対象外の鯨種であり、日本では政府の厳重な管理化で、小型捕鯨業とイルカ追い込み漁業による捕獲が許されている。

ツチクジラ

11m/11t

北太平洋の温帯から寒帯の海域にのみ生息。千葉県では1612年以来、沿岸捕鯨が行われている。 IWCの管轄の対象外の鯨種であり、日本政府の厳重な管理下で、和田、鮎川、網走、函館を基地として小型捕鯨により年間62頭の捕獲が許されている。

■ザトウクジラ
12.9m/0.3t

北極から南極におよぶ全海域に分布。アメリカ式捕鯨と近代捕鯨の対象種。19世紀後半に北大西洋における捕獲数が減少したため、漁場は北太平洋、南半球へと移り、20世紀初頭の40年間で10万頭以上が捕獲された。1966年に捕獲禁止。西インド諸島のセントビンセントで、原住民生存捕鯨の名で年間2頭の捕獲が続いている。

■コククジラ
13m/14t

18世紀頃までは北大西洋にもいたが、現在は北大西洋のみに生息。カリフォルニア・メキシコ沖で19世紀後半に1万1000頭を捕獲。20世紀前半の母船式捕鯨で約1000頭が捕獲され、1946年から保護されるようになった。現在、シベリアの住民が年間135頭、アメリカのマカ族が年間5頭、原住民生存捕鯨の名で捕獲が許されている。現在は初期レベルまで資源が回復した。アメリカも絶滅種のリストからはずした。

マッコウクジラ

15m/45t

赤道から極海まですべての海域に分布。17世紀頃から、最も長期にわたって捕鯨の対象とされた。小説「白鯨」のモデルとして登場している。脂皮や頭部から採れる油は、工業用やロウソク等に利用されていた。肉並びに脂をとった後の皮は、食用とされる。資源状態は全世界で極めて良好。

■セミクジラ
15m/50t

かつては全海洋に多く生息していた。人が捕鯨対象とした最初の大型クジラで、日本沿岸では10世紀初頭から、スペイン、フランスに面したビスケー湾では9世紀頃から捕獲されていた。遠洋捕鯨の開始にともない19世紀中に10万頭以上が捕獲され、20世紀初頭には低レベルまでに減り、1935年以降、保護されている。

■ニタリクジラ
13.7m/18.5t

全世界の熱帯から温帯海域に分布、日本周辺で古くから捕獲されていたが、1950年代までイワシクジラとみなされていた。北太平洋では日本、ロシア、韓国、台湾が捕鯨の対象としてきたが、捕獲数が多くなかったため、資源は全体として良好な状態を保っている。

ホッキョククジラ

18m/60t

北極圏を取り巻く寒冷域にのみ生息。遊泳速度が遅く、良質の油とひげ板を生産するため、欧米人によって何世紀にもわたって捕獲され、19世紀には激減した。現在でも資源状態は全体として極めて悪いが、アラスカのイヌイットに対し、年間54頭以下の捕鯨が原住民生存捕鯨の名で認められている。カナダやロシアでも少数捕獲されている。

ナガスクジラ

21m/50t

両半球の亜熱帯域から極地周辺域までの海洋に広く分布。近代捕鯨の重要鯨種の一つで、古くから捕鯨が全世界で続けられた。グリーンランドでは原住民生存捕鯨によって今でも捕鯨が許されている。

シロナガスクジラ

25m/100t

両半球の赤道域から極域まで、広く分布。19世紀後期汽船に搭載した捕鯨砲によって捕獲が可能になると鯨油生産量(個体当たり)が最も多いクジラとして、全海域で捕獲された。全世界での捕獲の停止は1966年。約1世紀にわたる累積捕獲数は30万頭に達し、激減した。地球上最大の動物。

捕鯨問題 Q&A

「くじらは獲って食べちゃいけないんじゃないの?」みなさんが素朴に思う捕鯨問題についてお答えします。

Q1.くじらは絶滅に瀕しているのでは?

A.くじらは増えつづけている

南極海のミンククジラは76万頭いる

IWC(国際捕鯨委員会)は、1982年にIWCが管理する全ての鯨類について商業捕鯨 モラトリアム(商業捕鯨の一時停止)を採択しました。同時に、遅くとも1990年までに 鯨資源を包括的に評価し、モラ
1992年のIWC年次総会では、科学小委員会が新たに開発した改定管理方式(RMP)を 承認しました。この管理方式は資源にまったく悪影響を与えない持続的な算出する方法で、 いわば貯金の元本はそのままにして、その利息の一部を利用していく極めて安全な資源の 管理方法です。

100年で20万頭(年間2000頭)捕獲しても大丈夫

IWC科学小委員会はこの管理方式に基づいて南極海のミンククジラの捕獲枠試算を行い、 100年間で20万頭を捕獲しても資源量には何等悪影響はないとの結論を出しています。 しかしながら、反捕鯨の国々はこの管理方法に加えて、監視取締制度を含む 改定管理制度(RMS)を採択する必要があるとして、安全な捕獲枠が算出されても、 捕鯨再開に反対し続けています。

Q2.日本人はどうしてくじらを食べるの?

A.その国には、その国の食文化

日本人にとって鯨肉は貴重なタンパク源
四方を海に囲まれた地域、半島国のノルウェーをはじめ、極北・亜極北などには 海獣狩猟、魚撈を中心とする文化が育ち、人びとは海の恵みを食べものとしてきました。 日本では、仏教の伝来とともに獣肉による食習慣が薄れ、魚による食文化が発展してきました。
日本人にとって、クジラは魚であり、貴重なタンパク源として古くから利用されてきたのです。

クジラが本格的な食品として普及しはじめたのは江戸時代のことで、捕鯨の 行われる地域を 中心に独自の食文化が生まれました。クジラの肉はもちろん、鯨油を絞ったあとの皮、 五臓六腑まで食べものとして利用する日本のクジラ料理は、世界に類を見ないものです。

刺身、焼物、煮物、揚物、酢物、茹物、汁、干物など、豊かなレパートリーが 日本のクジラ料理の特色です。

Q3.くじらはどのくらいの量の魚を食べているの?

A.人間が獲っている量の6倍も食べている

くじらが魚を食べ過ぎる
海の中では、プランクトンを魚が食べ、それをさらにクジラやアザラシなどが食べるという 「食物連鎖」が常に行なわれています。そしてそのシステムの一番上位にあるクジラは、 想像以上に大量の魚やオキアミ類(プランクトンの仲間)を食べていることがわかってきました。
では鯨類は世界でどのくらい多くの餌を食べているのでしょうか?それを推定するには、 クジラ1頭が食べる餌の量を推定して、それにクジラの数を掛ければおおよその量が 計算できます。南極海や北太平洋でクジラの調査を行なっている 日本鯨類研究所は、 クジラの平均体重とそれに基づくエネルギー必要量から、1頭あたりの餌の必要量を推定し、 それに南太平洋、北太平洋、北大西洋の鯨類の推定資源量を掛けて計算しました。
それによると、鯨類が1年間に世界で食べる餌の量は2.8億から5億トンにのぼり、 これは、世界の海で人間が獲っている魚の量(9000万トン)の3~6倍にもあたります。

Q4.くじら肉は健康に良いの?

A.高タンパクで低カロリー

くじら肉は健康にとっても良い
鯨肉は、牛肉、豚肉、鶏肉に比べ、タンパク質が多く、コレステロールの含有量が少ないため、心筋梗塞や虚血性心疾患にかかりにくい。
また、他の肉と比べてアレルギー症状を起こすことが少ないため、食物アレルギーで食事療法をしている方の貴重なタンパク源と考えられています。